え、リーバクト飲んで筋トレしてないの?医師がプロテイン・BCAAを含め解説

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どうも、筋トレ大好き&日々消化器内科医、らーめんどくたー大将です。

みなさんもジムに行くと、何やら粉を水に溶かしてガブガブ飲んでるマッチョを見かけたことあるでしょう。

そう、彼らはプロテインの他にBCAAというアミノ酸を水で溶かして飲んでいるのです。

そして、これは肝不全・肝硬変の治療薬であるリーバクト(BCAA 分岐鎖アミノ酸製剤)と同じです。

では、一体なんのために飲むのか?

その前に、BCAAとはどんなものかと言うと、以下のようなものです。

・筋肉で代謝されるアミノ酸

・バリン、ロイシン、イソロイシンと言う3種類が含まれる

・これらが筋肉のエネルギー源となってタンパク合成の促進と分解の抑制をする。

筋トレ中では、エネルギーの需要が上がるため、相対的にエネルギーが足りない状況になります。

エネルギーが足りないと、筋肉は分解(=異化)してエネルギーを保とうとします。

それを補うために、マッチョたちはBCAAを飲んで筋肉にアミノ酸というエネルギーを与えることによって筋分解を防ぎ、

また、同時にBCAA(特にロイシン)にはタンパクを合成する作用もあるため、これらの働きによって筋肥大を目指していたわけです。

そして面白いのはここからです。

なんと、このBCAA、冒頭で話した通り、医療界でも肝不全・肝硬変の治療薬として著名な効果が認められています。

具体的にはアミノレバンE Nやリーバクトというお薬が販売されています。

つまりリーバクトやアミノレバン=BCAAとなります。

肝不全患者は基本的に1日3回食事と共に肝不全治療薬として摂取しています。

この後の章では、

筋トレマッチョと肝不全患者が同じ物を飲み続けている理由と、

筋トレ時以外でも寝る前にBCAAを飲む効果について、解説します。

肝不全・肝硬変患者がBCAAを飲む理由は、①腹水がたまらないようにするため、②意識状態が悪くならないようにするため

マッチョがBCAAを飲むのは、タンパク合成(と分解抑制)による筋肥大のためでした。

では肝臓が悪い患者さんの場合はどうなのか?

1.低タンパク状態になって腹水がたまって辛い

そもそもタンパク質は肝臓で作られており、肝臓が悪いと低タンパク状態になります。(我々は血液検査から「アルブミン値」というものを見てタンパク状態を評価します。)

低タンパク状態では、(テーマが違うので詳しく解説はしませんが)腹水というお腹に水がたまってとても苦しい状態になってしまいます。

そんな肝臓の機能が衰えた際に筋肉が肝臓の働きの一部を肩代わりし、タンパク状態を上げようとします。

その際に必要な筋肉のエネルギー源がBCAAな訳です。

よってBCAAを補充することで、アミノ酸のバランスが整い、筋肉での代謝の負担が軽くなることで、肝臓の負担も軽くなり、タンパク合成も上がってきます。

2.アンモニアという毒物がたまって意識が朦朧としてこないようにするため

また、肝臓の別の作用として「アンモニア」という身体にたまると意識が悪くなる毒物を解毒する作用もあります。

先ほどのように、肝臓が悪いと毒物を解毒できないため、筋肉が働きの一部を肩代わりし、解毒します。

その際にももちろん筋肉のエネルギー源BCAAが必要になってきます。

これらの理由から、筋トレ大好きマッチョと肝不全・肝硬変患者は、同じアミノ酸を摂取し続けているのです。

寝る前のプロテインで引き締まった身体を手に入れることが出来る

まず、前提としてプロテインにもBCAAは含まれています。

プロテインとは、タンパク質のことであり、タンパク質の原料がアミノ酸だからです。

よく、筋トレをしている方や、ダイエットをしている方で寝る前にプロテインを飲む方がいます。

結論から言うと、より引き締まった身体にしたいなら寝る前のプロテインは効果があると言えるでしょう。

何故なら、寝ている間は絶食時間になるため、この際もエネルギー欠乏状態が続き、筋肉の分解が進んでいくからです。

よって筋肉のエネルギー源のBCAAが必要なのです。(本日3回目。笑)

筋トレ中では、速攻吸収したいため直接BCAAアミノ酸を溶かし摂取しました。

ただ、寝ている間は緩やかに血中にアミノ酸、タンパク質濃度を高めておけば良いため、

お金に余裕があればもちろんBCAAに越したことはないですが、プロテインでも十分効果が期待できます。

事実ベースとして、肝不全の患者さんではLES(late evening snack)という就寝前エネルギー投与が肝硬変患者の予後を改善するとして、肝硬変診療ガイドラインにおいても推奨されています。

具体的には、Hepatology researchに掲載されたYamauchiらの学術記事によると、

肝不全治療薬であるアミノレバンENを日中投与から就寝前投与に切り替えることで筋タンパク崩壊の指標である3-メチルヒスチジンが低下したことが報告されています。

もちろん、体質だったりにもよるとは思いますが、もし筋トレが習慣にない人でも、

寝る前にプロテインを飲むことで筋肉分解を防ぎ、引き締まった筋肉を保てることに関しては明確なエビデンスがあると言えるでしょう。

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