医師が解説!ラーメンなどのうま味の相乗効果とは?グルタミン酸(アミノ酸)とイノシン酸(核酸)について

らーめん

こんにちは、らーめんどくたーです。

ラーメンの味に欠かせないもの、それは「うま味」です。

酸味とか苦味は何となくわかるけど、うま味って何だよわからねえよ!!!

今回は、そんな人に向けた記事です。

ラーメンを食べた時に、「美味しい」と感じるその快物質、それが「うま味」です。

少し生理学の話が絡みますが、特別難しい話をしているわけではありませんし、覚える必要も全くありません。

なんとなーくこういうものか、と思って聞き流してください。

結論から言うと、

グルタミン酸というアミノ酸が舌にあるうま味を感じる受容体に作用し、味を識別している。

これがうま味成分であり、ラーメンが美味しい理由であります。

そして、グルタミン酸の他に、イノシン酸というアミノ酸もあり、そちらについては後ほど解説していきます。

 

うま味の生理学をざっくりと(聞き流してもらって大丈夫です。)

ヒトの味覚は、甘味、塩味、酸味、苦味、そしてうま味の5種類からできています。

 

うま味は1908年に、池田菊苗によって発見され、その後、2002年にnatureに掲載された学術論文により旨味受容体T1R1/T1R3(Gタンパク質共役型受容体)の存在が明らかになり、

これがグルタミン酸と結合することで、旨味を感じることが明らかになりました。

(TとかRとかわかりにくいこと言ってるけど、要するにアミノ酸がくっつく受容体のことで、上の画像でいうとオレンジ色のレセプターのこと。)

また、この受容体はグルタミン酸などのアミノ酸系の旨味物質以外にも、

イノシン酸や、グアニル酸などの核酸系旨味物質の結合物質も存在することが明らかになりました。

 

うま味の相乗効果のメカニズム

頭の良いあなたならもうお気づきかと思います。

そう、

旨味成分アミノ酸であるグルタミン酸と、

旨味成分核酸であるイノシン酸が、同時に受容体に結合することで、相乗効果が起こり、

より「うま味」を強く感じることができるのです!!!

これが

科学の力で解明されたラーメンの美味しさの秘訣と言えるでしょう。

 

三大旨味成分とは?

ラーメンで言うと、

グルタミン酸は昆布に多く含まれ、

イノシン酸はカツオやお肉に多く含まれると言われています。

よって昆布×カツオ出汁がメインのラーメンでは、

うま味の相乗効果が発揮されている。

と表現するわけです。

他にも旨味成分として椎茸などに多く含まれる核酸であるグアニル酸も、旨味成分として報告されており、

これら三つは、三大旨味成分と呼ばれています。

その他のアミノ酸でも論文によっては旨味受容体に接合することで反応があったと報告されているアミノ酸はあるようですが、マウスとヒトの違いもあったり、

まだまだ未確立な部分もあり、確実なものとは言い難い現状にあり、これからの研究に期待されています。

うま味の歴史はまだまだ浅いため、これからの研究や論文で新たな旨味成分の発見や、新たな受容体の発見などが、今後の我々の食生活に影響を与えると言っても過言ではないでしょう。

コメント

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