どうも!らーめんどくたーです!
今回は、第3回内科専門医試験(2023年度)に落ちた自分が、第117回医師国家試験(2023年度)を解いて
「専門医試験に落ちる奴はそもそも医師国家試験解いても落ちる説」
について検証してみました。笑
【背景】2023年の難化以降、内科専門医試験は今後も高い得点率が必要であると予想される。
【目的】医師国家試験の得点率を明らかにすることで内科専門医試験の難易度を想定する。
【対象】第117回医師国家試験A問題〜F問題。
【方法】内科専門医試験に落ちてから、無勉強の状態でひたすら問題を解く。
【結果】最後にまとめてあるよ!!!
一応、医師国家試験の問題形式を忘れてる人がいると思うので解説すると、
Aブロック〜Fブロックまでの6ブロック
Bブロック、Eブロックが必修で50問×2の100問、
その他が一般問題で75問×4で300問で合計400問/2日間
です。第117回医師国家試験の合格率も91.6%でした(厚生労働省;第117回医師国家試験の合格発表について)
1ブロック75問は内科専門医試験と変わりません。
得点率に関しては、全体と内科系問題のみに絞った分野(個人的な独断)別に算出してます。
では、検証していきます!
Aブロック
全体・・・50/75点(66.7%)
内科系問題のみ・・・36/54(66.7%)
まさかの同じ得点率でした。笑
117A-4、急性好酸球性肺炎に関しては内科専門医試験対策としても慢性との違いなど、その細かい特徴が問われています。
117A-6、溶血性尿毒素症候群は血小板減少の患者の鑑別で調べてたんで難なく解けました。笑 最近は非典型型のa-HUSも話題になってるみたいです。
117A-22、漏斗胸の問題。こんなのも出るんだ。なんか知らんが解けた。
117A-26、正答率90%を超える高安病の問題。当たり前のように間違えました。学生時代ならきっと「若い女性、AR、WBC上昇」のワードを拾えてたのかな。
117A-27、ペースメーカーの心電図なんか出るんだな、と。内科専門医でも心電図の問題は絶対出るだろうからおさらいしておかないと。
117A-32、こういうシャント率とか肺胞低換気とか代償性だの呼吸性だのアシドーシスだの。。。本当に苦手です。笑 117A-75も同じようにミスった。笑
117A-33、むずむず脚症候群キターw w w w w内科専門医試験でも記憶に残っている人は多いはず。
117A-38、重症筋無力症と胸腺腫の問題。内科専門医試験では胸腺癌のわけわからん問題が出てて試験後論争になってたのを思い出しました。笑
117A-40、選択肢が簡単で解けたけど、甲状腺癌の特徴はしっかり暗記しないとですね。
117A-43、内科専門医試験でやたら出てきた梅毒。ここでも出てますね。
117A-45、血液内科の末梢血塗沫像系は難しい。。。遺伝性球状赤血球、当たり前に間違えました。
117A-57、冠攣縮性狭心症の禁忌「β遮断薬」?「Ca拮抗薬」?悩んで間違えました。
117A-62、好酸球性食道炎の胃カメラ問題。消内じゃ無かったら解けてたか怪しいけど、内科専門医試験でも胃カメラ問題は出てるので消内以外でもある程度はわかるようにしておく必要ありますね。
117A-73、ASD、VSDとかの心臓生理はしっかり理解しておく必要あり。
といった、感じでした。
Aブロックは内科系の問題の割合が多く、また2023年の内科専門医試験でもでたような問題(梅毒とかむずむず脚とか)も形式を変えて出題されてるので幅広く復習にもなって良かったかなと思います。
Bブロック
全体・・・79/100点(一般問題配点1点、臨床問題配点3点)
必修は内科系とか問わず全体で点数を算出します。
これ、Eブロックで81点以上取らないとやばいですね。笑
117B-6、感染性心内膜炎のOsler結節、内科専門医試験でも出ましたねえ。笑
117B-8、風疹の英語(Rubella)、水痘の英語(Varicella)がわからないと解けません。はい、わかりませんでした。ちなみに内科専門医試験では英語論文の解読も出たのである程度の医学英語の知識も必要になりそうです。
117B-10、自覚症状として一番多い症状。消化器内科医らしく腹痛を選んで撃沈しました。悔いはないです。
117B-20、Brugada症候群で発熱が誘因としてあることは115A69でも出題されているよう。知らんて。。。
117B-37 、今時過換気症候群の人に紙袋を口につけて呼吸させる医者なんているのか、と笑ってしまいました。笑
117B-41、117B-47、オッズとか検査前確率とか陽性尤度比とか、、、懐かしいけど計算はできませんでしたw w w 内科の臨床としてはあまり使いませんが研究や統計には必須な知識なので暇があったら学んでおくとモテるかも。笑
体感的には内科的な分野が多かった印象です。
※117B-38の医者として取るべき対応みたいな問題を間違えたことにはあえて触れていません。笑
Cブロック
全体・・・40/73点(54.8% 2問不適当問題)
内科系問題のみ・・・18/23(78.3%)
Cブロックはほとんど産婦・小児などのマイナー科と社会医学的な問題で解いてて眠くなりました。笑
内科系問題は少なかったものの、割と簡単な王道問題が多かったです。
117C-4、内科系ではないが災害医療に関してのトリアージ問題は内科専門医試験でも出たので直前にチェックしておく必要がありそう。
117C-9、感染症の疫学はCOVID-19関連の問題として引き続き出てくる可能性はあり。この問題としては2019年→2020年の感染症罹患の変化がstay homeが関与している疾患なのかしていないのかを聞いてそう。
117C-40、中毒の問題も社会医学的な内容ではあるものの、内科救急分野として出る可能性はあり。
117C-48、小児科の問題なんだけど、「最終月経開始日が妊娠週数の始まり」なのが体外受精の場合「人工授精の日を排卵日として妊娠2週目」でカウントするというのを改めて学び直しました。
117C-66、問題選択肢とは関係ないけどここでも問題文に「両側足趾先端に点状出血斑」とOsler結節の記載があり、IE好きすぎやろ!と思いました。
117C-70、心タンポのエコー所見。こういうのは循環器専攻者が強そう。国試受験者の正答率も18%と低かったのでよしとするか。笑
内科系問題はあまりありませんでした。でも内科系以外だからといって、いらないわけじゃなく、医師としては身につけておくべきものだなと感じました。(特に介護保険とか地域医療とか医療安全とかそうういうの。笑)
Dブロック
全体・・・53/73点(72.6% 2問不適当問題)
内科系問題のみ・・・33/45(73.3%)
Dブロックは、内科専門医試験でも出ていた範囲の問題が比較的多く、ただ、難しい問題はひねるような問題も多く、全体としてはバランスが取れてたように感じました。
117D4 2019年から透析導入の原因疾患として腎硬化症が慢性糸球体腎炎を抜いて第2位に。(2023年時点)こういう代わりうるトピックは常にアップデートする必要がありますね。
117D15 炭酸ランタンと炭酸リチウムを読み違えて選べず。曖昧な知識はしっかり確認しておくことですね。
117D22 病名忘れてても選択肢解けちゃうけど亜急性連合性脊髄変性症。しっかり確認します。笑
117D23 アデノが流行ってたんですかね、流行性角結膜炎2問目でした。問題としては小児科の問題でしたが大人でもかかります。
117D30 グラム染色の問題は内科専門医試験でも出てたので鑑別はしっかりできるように。
117D31 ANCAの2択外しは、もう学生の時からずっと間違えてる。笑 良い語呂あったら教えてください。笑
117D40 食物依存性アナフィラキシーも内科専門医試験に出てたような気がします。小麦に絡めた問題が典型的ですね。
117D41 Still病は内科専門医試験の臨床問題でも出ました。いくらでもひねりようあるので要チェックですね。
117D43 正解とは関係ないけどcの選択肢の抗C5抗体の治療対象疾患はいくつかあって暗記しまくったのに内科専門医ででなかったのでふざけんな!ってなった覚えがあります。笑
117D50 十二指腸潰瘍の画像所見。胃潰瘍のようなはっきりとした潰瘍じゃないのが意地悪で正答率64%と低いののかな。笑
117D52 Oh!まさかのEnglishネ!内科専門医試験の英語論文地獄を思い出す。
117D61 簡単な問題ですが原発性骨髄線維症も内科専門医でましたね。染色標本みせる超鉄板問題です。
117D68 2023年の内科専門医は梅毒たくさんでたから次のSTD枠として淋菌の可能性はありますね。
Eブロック
全体・・・86/100点(一般問題配点1点、臨床問題配点3点)
なんとか、必修落ちは免れましたw w w
Bブロックと合計すると、165/200点。
必修落ちはしなかったので安心です。笑
117E4 トリアージタッグについての問題。選択肢は簡単だが内科専門医試験にも出ており難しい問題にも対応できるようにしておこう。
117E13 膠原病は範囲が狭く、強直性脊椎炎や乾癬性関節炎も内科専門医試験にでるので症状までしっかり把握しておく。
117E23 パンデミックになった感染症とかこういう問題は日々どれだけ世界情勢にアンテナをはってるかがばれます。笑
Fブロック
全体・・・51/74点(68.9% 1問不適当問題)
内科系問題のみ・・・41/51(80.4%)
社会医学・小児科・産婦人科の問題が「知っていれば解けるけど知らなきゃ絶対解けない問題」が多く(例えばApgarスコアとか)、全体スコアと内科系問題のスコアに乖離が出ました。
間違えた問題はほぼ正答率90%近い問題ばっかだったので、国家試験対策をしてきている受験生からしたら比較的簡単なブロックだったんじゃないかなと予想されます。
117F1 免疫の問題は苦手にしてる人が多いがB細胞T細胞のそれぞれの役割から推測くらいはできるように。(肺炎球菌は細菌だからB細胞性)
117F18 代謝亢進なのか、食思不振なのか、糖尿病で取り込み低下なのか、生理学的に考えさせる問題です。
117F21 ビタミンKは29710以外にプロテインCとSも!使わない知識は忘れてしまう。。
117F25 好中球の左方移動とかの話。免疫だの生理学だのFブロックは病態生理を考える問題が多いですね。
117F33 ガンの死亡率の推移。内科専門医で出るかは怪しいけどガン自体は内科でも扱う疾患なので一応最新のをチェックしておく。
117F36 内科じゃないけど、Apgarスコアを計算させる問題なつかしすぎます。正答率95%ですが、もちろん解けるわけありませんでした!!!!笑
117F41 腎移植の問題も複雑な特徴を理解しておくことですね。
117F46 これもホルモンの生理学的作用を考えさせる問題。多いなあ。
117F49 薬剤の総合的な知識が問われる問題。臨床やってれば解けるけど正答率69%は学生だもんなと感じさせられる。
117F57 健診バイトをしてると若い人の検査結果照会で起立性蛋白尿だろうなと思いながら紹介状を作成することが多々あります。笑
117F71 A-aDO2の式なんて使わないから忘れるよ!!!サインコサインタンジェントくらい忘れてる。
117F75 水分60%、1/3が細胞外液、この知識はあっても活かしきれない自分に腹が立つ問題です。
検証結果
全体・・・194/295点(65.8% 5問不適当問題)
内科系問題のみ・・・128/173(74.0%)
検証結果はこんな感じでした。
必修はなんとか受かってましたが、第117回医師国家試験の一般臨床問題の合格点は厚生労働省;第117回医師国家試験の合格発表についてより、220/295点(74.58%;不適当問題を除外)なので、余裕で不合格でした!!!笑
内科系問題のみに絞っても、合格点の割合74.58%には2問届かず。。。
よって、
「内科専門医試験に落ちてノー勉で第117回医師国家試験を解いたらどうなる?」の結論としては、
必修は合格点に到達するものの、一般臨床問題は普通に解いても、内科系問題のみに絞って解いても普通に不合格。
しかしながら、内科系問題に絞って言えばあと2問解ければ合格なので、勝負は細部に宿る。
と、考えられました。笑
まあ、何を言いたいかというと、、、、、
つべこべ言わずに勉強しろ!!!!!!!!!!!!!!!!!
(笑)
ご精読ありがとうございました。笑
他にも、内科専門医試験合格に向けた記事をいくつか書いているので見てってください!
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