【医者は専攻科選びが9割】何科になるか、エリートコースは?

医者の人生・キャリア

らーめん
らーめん

どうも、後期研修医、J-OSLER3期生のらーめんといいます。

今回は、医者の専攻科選びが医者人生の9割を占める!!!!

という話をしていきます。


今の科で良いのかな、、、?

特にやりたい科とかないんだが、、、?


この悩みは、学生時代から意識の高さを貫き通した「神童」の初期研修医の人以外みんなぶち当たる壁だと思います。笑

もちろん、自分も専攻科に関しては色々悩みました。

今回は、そんな自分の経験をもとに、医者は専攻科が9割!!!という理由を解説していきます。


 この記事を読んでわかること

・何故、専攻科選びが9割なのか

・ではどのように専攻科選びをすれば良いのか

・専攻科によってエリートかどうか変わるの?


では、解説していきます!

なぜ、専攻科(後期研修先で何科になったか)が9割なのか

医師の人生はだいたいこんな感じです。↓

卒後1年目〜2年目:初期研修医のフレーズ。

  ⇨仕事の責任が少ないので、遊びに全振りするハイポ研修医が急増中!

卒後3年目〜5年目:後期研修医(専攻科を決定する人がほとんど)のフレーズ。

  ⇨内科ならJ-OSLERという鬼畜プレイを楽しむドMが急増中!

  ⇨内科にせよ、外科にせよ、ここでの決定がこの後のフレーズにも影響する!

卒後6年目〜15年目:ある程度の経験と、取得した専門医を生かせる脂の乗ったフレーズ

  ⇨自分の裁量権でやれることが増え、しかもまだ体力もある無敵マリオ状態。

卒後16年目以降〜:体力的に衰えだし、様々なキャリアチェンジをするフレーズ

  ⇨開業やクリニック、訪問診療や療養型病院など。研究など臨床から離れるケースも。

このことから言えるように、

長い医者人生の中で「専攻科が決まっていない状況」は「初期研修医の期間」だけなのです。

これはかなり貴重な時間でしょう。

確かに、一度は消化器内科を専攻したけど、やっぱり循環器内科に変更するといったようなキャリアチェンジも同じ医師免許なので可能です。実際そういう方もたくさんいます。

ここで共通することは、「専攻科選び」がいかに働く中での重要なファクターとなっているかということです。

例えば、(自分は阪神ファンなので阪神の選手で例えると笑)ピッチャーで入団し、バッターで成功した、糸井嘉男選手のように、ピッチャーorバッター。その決断が大きな分かれ道となります。

では、その決断はどのように決めれば良いのでしょうか?

3つの視点から考えていきます。

1:ワークライフバランスの違い

オンコール!!!当直!!!

働き方改革であったり、時間外労働であったり、近年はワークライフバランスがかなり問題視されています。そして、諸外国と比べ、日本は特に過労働時間が長い国となっています。

参照:厚生労働省 令和2年版過労死等防止対策白書

もちろん、考え方は人それぞれ違います。

働く時間が長くてもいいからまずは臨床経験だったり、知識やスキルを身につけたい!

という人もいれば、

子供や奥さんと過ごすプライベートも充実させながら、仕事も両立したい!

という人もいるでしょう。

そして、このライフワークバランスに関しては、選んだ専攻科とほとんどのケースで密接に関係します。

例えば、循環器内科を選んだ場合、

心筋梗塞なんかはdoor to balloon timeが大事で、1分1秒を争います。

そのため、夜間の緊急でのオンコールや当直対応の頻度も多く、その後も治療まで介入するため相当な体力が必要になります。

逆に、精神科では希死念慮がある場合を除いては夜間の緊急対応は少ないことが多いです。

このように、ライフワークバランスは明らかに専攻科の選択によって変わります。

もちろん、病院によっては当直回数の違いであったり、同じ専攻科でも検査や治療の内容の違いはあるでしょう。

ただ、それと同じように緊急性のある疾患にも頻度の違いがあるので、ある程度忙しい科と、QOLが比較的保たれている科は分かれます。


2:興味のある(やりがいのある)分野の違い

これはよく言われることであると思います。

よく上級医から「やりたいことが大事だよ。」とアドバイスをされます。

しかし、このブログを読んでる人ならみんなこう思うと思います。

やりたいことがないから悩んでんだよ!!!!!!!

と。笑

一部の意識が高い人は初めから「これがやりたい!」というものがあるでしょう。

しかし、ほとんどの場合、やりがいはやってるうちに生まれるものと考えます。


では、どうすればいいのか?

それは、まず絶対にやりたくないことを決めて、それ以外を選択すればそのうちやりがいは生まれてくる

ということです。

例えば、自分はオペ室に入るのが苦手でした。なので外科は絶対にならないと決めました。

最終的に消化器内科を選択しましたが、もし仮に循環器内科を選択していたとしても今もやりがいを持って続けていたと思います。

このように、自分の中で「これだけは絶対にやりたくない」と思うことを決めることも大切です。


3:収入の違い

収入も科によってばらつきがあります。

もちろん、病院にもよりますし、田舎か都会かにもよるでしょう。

ある医師の平均年収額を調査した研究(参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」より)では、

1位が脳神経外科で約1480万円、最下位は眼科や皮膚科、耳鼻咽喉科などのマイナー科で約1070万円でその差は約400万円との結果になりました。

ただ、これは勤務医の話なので開業の話になるとまた話は変わってくるでしょう。

しかし、専攻科の選択によって収入にばらつきが生じることは明らかと言えます。

お金が全てではないですがどの程度もらえるのかは把握しておいて損はないと思います。



選んだ専攻科は今後一生自分の「武器」になる

現在の日本では、初期研修医を終えた後は、内科や外科、マイナー科など、専攻科を選んでその専門領域に進むことが一般的になっています。

2018年度に専門医制度が変更されてから、ますますその特色は強くなり、むしろどのサブスペシャリティ領域に進むのかが、病院側が求める需要にも直結しています。

もちろん、総合診療でのジェネラリストを目指す道もあります。

ただ、更に修練を極めるいわば自分の「武器」となる領域がなければ、その先のキャリアが見えないという声も多く見られることは事実です。

これの一番のメリットは、「権威性、専門性、独自性」がつくためもし転職するとなっても転職先の幅がぐんと広がることにあります。

考え方はそれぞれですが、これが自分が専門医は必要だ!!!と唱える理由のひとつです。


田舎の病院や医師不足の僻地などではどんな医師でも歓迎されることはあるでしょう。しかし、ある程度の設備の整った、しっかりした病院であれば、臨床経験の乏しい地雷医師を引きたくありません。

そこで、今後給料やQOLの良い条件の良い病院はもちろん競争になるため、まず専門医を持っていなければその土俵にすら立つことはできません。

親が医者で家を継いだり、強いコネがある人は別ですが、そうでない人は自分の市場価値を上げる目的でもしっかりと専攻科選びは熟考し、自分がやれる!と思った科で専門医を取得することがベストです。


まとめ:専攻科選びの基礎とエリートコースの科は?

ここまでの話をまとめると

適度なワークライフバランスや、収入を考えて、絶対にやりたくないことを決めたら

後はまずやってみる。そしてやっていくうちにそのうち自分の「武器」になる。

これが自分の考える「専攻科選び」の基礎です。

最後に、

よく「あの科はエリートだ」とか「いや、プライベートが充実しててこそエリートだ」など

医者のヒエラルキーを意識した議論が交わされることがあります。

これに関しては、しっかり自分で考えて選択した科ならばその選択こそがエリートコースの選択なのではないかと思います。


「貢献(承認)」「達成」「自由」

この3つは自分が仕事のやりがいとして、いつも考えていることです。

・自分の診療が誰かの役に立ってるか?(産科のお産なんかはよく感じられそう)「貢献(承認)」

・日々成長を感じられるか?(自分なら例えば内視鏡手技など)「達成」

・自分の裁量権を持ってやれているか?(自分で治療方針を決めれるか)「自由」


自分は、消化器内科を選択し、こうした要素から働きがいは生まれてきています。

まだ初期研修医の皆さん、学生さん、そして既に後期研修医として学んでいる同期の人たちみんなに伝えたいことは一つです。

医者は専攻科選びが9割!!!!


ありがとうございました。

らーめんどくたー大将

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