点滴が取れない!!!
2回失敗してしまったどうしよう、、、
何故漏れてくるの・・・?
どうすれば上手くなるの!?!?!?
どうも、らーめんどくたー大将です。
この記事ではコロナ禍の中でも日々、臨床の現場で頑張っている看護師さん、そして研修医に向けて、
点滴ライン(ルート)が取れない疑問を完全解決します。
ルートの取り方には明確な正解はありません。
そのためほとんどの場合、研修医でも看護師さんでも先輩に教わったことを、
我流で編み出す中で経験し、手技を体得します。
取りやすい簡単な人ならある程度の我流でも入ってしまいます。
そのため、その成功体験から、また日々の忙しい診療の現場から、
先生、点滴をとってください♡
・・・なんて言われたら、難しい人でも構わず、
ぶっつけ本番で一発勝負に出てしまいがちです。笑
しかし、
この後、具体的にそのことについて解説していきます。
我流で出たとこ勝負をしている方は今一度見直して見ると、成功率がグン!と上がるかも知れません。
※ルートとラインはほぼ同義語で違いはありません。参照:看護roo!HP
また、当ブログでは研修医や看護師さん、医学生向けにも多数の記事を書いてるのでぜひそちらも見ていってね!
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点滴ライン確保(ルート)の成功率を上げる3つの要素
まず、
我流でもいいじゃないか!!!
と言う方もいるでしょう。
確かに、野球選手ではイチローの振り子打法や、王貞治の一本足打法など、我流で結果を残している方もいます。しかし、100%我流の選手はほぼいません。
力の伝わりやすいバットの持ち方があって、ボールが来たときに打ち返す向きや角度はある程度決まっています。
その大前提がある中で、「いかに自分にあったフォームを我流で合わせるか」が大事になってきます。
なので、今回はその基礎の部分を中心に解説していきます。
1:持ち方とテンションのかけ方:刺す前のフェーズ
まず、持ち方は上の画像の①や②の様な形で持ちます。
ポイントは、外筒がズレないよう人差し指で押さえることです。
そのポイントだけは基本です。
野球で言うと、右バッターがバットを持つときは右手が上。と同じです。
そこさえクリアしていれば、後は我流で①でも、②でも構いません。
(個人的に②では逆血が見えないことがあるので①をお勧めします。)
そして、次にテンションのかけ方です。
テンションをかけるとは、要するに皮膚をひっぱり、血管が動かない様にするということです。
右利きの人なら右手で針を、
左手でテンションをかけることが基本になります。
テンションがうまくかかっていないと、上図の様に血管が動いてしまい、
うまく刺さってくれません。
この場合も「テンションをかける」ことが基本なので、そこがクリアしていればかけ方は人それぞれです。
自分は上の③や④の様にして皮膚を押さえています。
2:血管を刺す針の向きと角度:刺すフェーズ
さて、ここからがいよいよ実際に針を刺すことについてお話しします。
野球でいうと、ボールに当てるときのバットの向きといったところでしょうか。
アッパースイングばっかりでは正しくヒットゾーンにボールを飛ばすことはできません。
ここでの大事なポイントは「針の向きと角度」です。
・向き:指で血管を触って走行の向きを確認する
・角度:30〜45度で刺して、15〜30度に寝かせて1〜2mm外筒を進める
まず、向きですが必ず指で血管を触ってどの向きに進めるかイメージしましょう。
血管が目視できたとしても、先が蛇行していて入りにくい血管もあります。
そうすることで、先の血管に蛇行がある場合は少し手前から刺す。
血管の先が奥にある場合は角度を少しつける。
と言った対応ができます。
次に角度ですが、
これは血管のパターンにもよりますが基本は
「入るときはやや角度をつけて、逆血がきたら寝かせて外筒を少し進める」
ということは共通しています。
外筒より内筒の針の方が先端にあるため、逆血がきた瞬間に外筒を進めても
血管内には内筒の針しか入っていないため、外筒は壁に当たって血管内に入ってくれません。
3:メンタル
最後は、メンタル面です。
実は、慣れてきた時の失敗例はメンタル面が非常に大きく影響します。
野球でいうところの「調子」ですね。
バッターボックスに立つときでも、1点差の9回裏ツーアウト満塁と、
まだ初回とでは緊張感から汗の出方が全く違いますよね。
自分も例えばVIP患者などに点滴をとる場面になったときはめちゃくちゃ緊張します。笑
それでも冷静になることが重要です。
睡眠不足であったり、忙しくて他のことを考えているときなど、心理的な面での影響もあることを覚えておきましょう。
点滴ライン確保(ルート)が取れない3つのあるある失敗パターンと対策
これまで説明したように、基本的には上の3つを繰り返し意識し、
経験を積むことでだんだんと上達していきます。
ただ、その中で僕も経験したことのある、
あるある失敗パターンと、その対策法をご紹介します。
1:貫通してしまう
これは勢い余って内筒の針を進めすぎたパターンです。
対策としては「ゆっくりと逆血を確認しながら」針を挿入しましょう。
2:逆血が来た後、寝かせて少し進める内筒の進みが弱い
逆血が来たら嬉しくなってしまいますよね。笑
そこでチキって寝かせてからの内筒の針の進みが弱いと、
外筒は内筒より先が短いため、血管の中ではなく、血管の外を進んでしまいます。
また、逆血が来てから内筒の針の進みが強すぎると「1」のパターンの様に
貫通してしまいます。
対策としては、「寝かせてから進める針は1〜2mmにしましょう」
3:浅すぎて血管壁のみを擦ってしまう
血管は基本的に皮膚と平行に走っているため進めるときは寝かせて進めるのですが、
最初から寝かしたまま針を進めてしまうと血管壁の外側をかすっただけで
うまく血管内に入らず、内出血してしまいます。
ただ、角度をつけすぎても勢いで「1」のパターンの様に貫通してしまいます。
対策としては、「やや」角度をつけて入れることが重要になってきます。
4:その他
その他の失敗パターンとしては、
・静脈弁に当たってしまうといったアンラッキーなパターン
・蛇行していて進まないといった基本の走行の確認ができていないパターン
・抗癌剤などで血管が硬くなってしまっているパターン
・高齢者で血管壁が薄く、漏れやすくなっているパターン
・動きやすい位置にある血管(尺側皮静脈や手首付近の橈側皮静脈)
といったことも考えられます。
自分の失敗がどのパターンに当てはまるか考えてみましょう。
まとめ:ルート確保は焦らない!習うより慣れろ!
ヤバイ、、、2回も失敗してしまった。。。
日々、医師・看護師業務をやっていればそんな瞬間はたくさんあります。
でもそんな時に自分を責める必要はありません。
イチローだって打率4割です。失敗することがあるのが当たり前です。
失敗した原因が何だったか。
先ほど解説した失敗パターンに当てはめて考えてみてください。
その上でどうしても難しい場合もあるでしょう。
そんなときは、
青の22Gの針より細い、黄色の24Gの細い針に変更したり、
最悪手背の血管や、正中の血管など入れやすいところに入れさせてもらうなどの対処法が考えられます。
基本がしっかりとできていれば、失敗しても大丈夫です。
できていなければ基本に戻り、できていれば、失敗の原因を考え、
そしてその中で日々経験を積むことで上達していきます。
そして何より一番大事なことは、患者さんです。
沢山失敗されるともちろん痛いです。
フィードバックを忘れずに、
ぜひこれまでの記事の内容を参考に上達していってくださいね。
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