プィイ・フュメとサンセールの違いと間違えやすいワイン!フランスロワール地方のソーヴィニヨンブラン

ワイン

 

フランスといえば、ボルドー、ブルゴーニュが有名ですが、

ロワール地方もまた、ブドウ産地として有名です。

中でも、サントル・ニベルネ地区のサンセールとプィイ・フュメで作られる辛口白ワインはその爽やかさ、日本料理との合わせやすさからこの記事を見ている中の方でもファンが多いのではないでしょうか?

 

しかし、

サンセールと、プィイ・フュメのワインの違いがわからない!!!!!!

とお困りの方は多いと思います。

そのはずです。

サンセールもプィイ・フュメもフランスロワールの東部に位置し、大陸性気候・似た土壌という点で共通しているためです。

 

よって、今回は、同じ年代、同じ造り手として以下の二つを比べてみました。

 

・パスカル・ジョリヴェ/サンセール

 

・パスカル・ジョリヴェ/プィイ・フュメ

 

結論から言うと、

サンセールの方が酸味が強めでレモンのニュアンスが強く爽やかで、

プィイ・フュメはより果実味のコクが強く、スモーキーなミネラル感によるエレガントさが際立つ。

ただ、その2つをブラインドで鑑別するのは至難の技であると言える。

 

 

では、そのことに関して深掘りしていきます!

ちなみに、私がワインを好きになったきっかけなんかは

こちらで紹介しているので良かったら見てくだい!笑

 

サンセール、プィイ・フュメに共通する特徴

今回比較したワインはこれらになります。

左がサンセール、右がプィイ・フュメです。

 

外観

 

光の当たり方もあるが

基本的にはどちらもレモンイエローで同じ様な色調をしています。

香り

レモンやグレープフルーツの様な柑橘系のフレッシュな果実味とハーブや青い草の様な爽やかな香り。

火打ち石と表現される独特のミネラル香。

シャープな酸味とフレッシュな果実味、チョーキーでスモーキーな独特のミネラル感に包まれます。

酸味が強い分爽やかな辛口だが、フレッシュな果実に包まれ穏やかで、ライト〜ミディアムボディの印象です。

サントル・ニベルネ地区特有の冷涼な大陸性気候が成すテロワールがしっかりと酸味と果実味に現れる、、、そんな印象でしょうか。

 

ちなみに、独特のミネラル感はこの地区特徴的な多様な土壌である、

・カイヨット(石灰質)

・テール・ブランシュ、キンメリジャン(粘土石灰質)

・シレックス(火打ち石)

によるニュアンスがよりスモーキーさを感じさせます。

ただ、土壌が直接ミネラル感に関係することは科学的に証明はされていないようで、あくまで表現の参考程度に留めておくことがベストです。

サンセール、プィイ・フュメの違いをあげるなら

まず大前提として、

サンセールとプィイ・フュメはロワール河を挟んで対岸と地理的にとても近い位置にあり、土壌や気候も似ているため大きな味の違いはありませんでした。

また、畑の違いや、生産者の違いで味のスタイルも多様に変わるため、違いを言い当てるのは難しいでしょう。

そのため、今回はあくまで同じ生産者のパスカル・ジョリヴェが造るワインとして検討しました。

 

【サンセール】

・サンセールは酸味がプィイ・フュメより明らかに強く、そのためサンセールは少しキリッと爽やかな印象がある。

・酸味が強い分、柑橘系ではレモンを思わせる香りが強い。

【プィイ・フュメ】

・プィイ・フュメはグレープフルーツやレモンの柑橘系や黄桃のニュアンスが強く、サンセールと比べるとよりジューシーでよりスモーキーな香り。

(プィイ・フュメのフュメとはフランス語で煙という意味であり、スモーキーな香りから煙を連想する)

・プィイ・フュメはその分エレガントな印象 酸味がサンセールより抑えられている分果実味のコクが強めで、だからか、黄桃のニュアンスも感じる。

一般的に冷涼な方が酸味が強く、温暖であれば果実味が強くなると言われています。

サンセールの方が、プィイ・フュメより標高がやや高いため、冷涼であり、酸味も強くなるのかもしれません。

 

また、プィイ・フュメでは白のみAOCなのに対し、サンセールではピノ・ノワールなどの赤や、ロゼも作っているという地域性の違いもあります。

 

ブドウ品種が違うシャブリのシャルドネと間違えやすい!?何故?

刺身や牡蠣、天婦羅などに合わせやすいサンセール、プィイ・フュメですがこれら料理とマリアージュする似た様な辛口白ワインといえばピンとくる方もいるのではないでしょうか。

そう、フランス・ブルゴーニュ地方のシャブリ(シャルドネ)です!!

ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネで全然ブドウ品種も違うじゃないか!!と思う方もいるかもしれません。

しかし、とにかく似ているのです。

理由としては

キンメリジャンの白亜の石灰質土壌がともに共通していること、

また冷涼な気候による上質な酸味が共通しているからと言われています。

つまり、スモーキーなミネラル感、口に含んだときの爽やかでシャープな酸だけで区別をつけるのは難しいというわけです。

 

ティスティングする際は、ソーヴィニヨン・ブラン独特のハーブの香りなどを上手く拾うと良いでしょう。

 

ニュージーランドのソーヴィニヨンブランとの違い

ソーヴィニヨン・ブランといえば、今やニューワールドでは代表選手と言っていい

ニュージーランドを忘れてはいけません。

 

こちらもしっかり区別していきましょう。

今回は、

 

こちらのニュージーランドの産地の中でも特にソーヴィニヨン・ブランが栽培されているマールボロ地区のワインをティスティングしました。

 

これは結論ですが、

まず、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの方が、香りが強く、

果実味はトロピカルフルーツやパッションフルーツの様な華やかなニュアンスが際立ち、

ソーヴィニヨンブラン特有のハーブや草原のイメージが強い。

次に、酸味は少なく、支えるミネラル感を感じつつも、火打ち石の様なスモーキーなニュアンスは感じられない。

と言えることができます。

まとめると、

こんな感じでしょうか。

 

余談:プィイ・フュメとプィイ・フュイッセを間違わないように

また、つい間違えやすいワインとして、

フランス・マコネ地区の白ワインで「プィイ・フュイッセ」があります。

こちらは名前は似てますが、味わいは全然別物でアーモンドや蜂蜜、バターなどのニュアンスのあるシャルドネから作られるワインとなっています。

ここは余談なので詳しく解説はしませんが、エノテカさんのページで味わいについてコメントされてるので気になる方はチェックしてみてください。

お店などで、注文する際は気をつけましょう(笑)

まとめ

ワインは趣好品なので、感じ方は人それぞれです。

ただ、大まかな特徴は似ているのでそこは理解しておくと良いと思います。

今回のサンセールやプィイ・フュメは和食とは最高のマリアージュです。

最後にまた結論に戻ると、

サンセールの方が酸味が強めでレモンのニュアンスが強く爽やかで、

プィイ・フュメはより果実味のコクが強く、スモーキーなミネラル感によるエレガントさが際立つ。

ただ、その2つをブラインドで鑑別するのは至難の技であると言える。

 

わずかな違いを感じ取れる様になったら、

内今日はちょっとキリッとしたいからプィイ・フュメよりサンセールかな

とか言ってみましょう。笑

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