こんにちは、らーめんどくたー大将です。
私は、現在現役の消化器内科医として働いていますが、
つい1年前までは初期研修医でした。
そして、私の病院では1学年に45人の同期研修医がおり、
1年被りではありますが、1つ上、1つ下の学年も含めると130人以上の研修医と同じ研修医という立場で関わってきました。
そのため、こと初期研修医に関しては様々な個性の人たちと関わってきた自負があります。
その中で今回は、ヤバイ初期研修医、通称「ヤバレジ」と、
デキる初期研修医、通称「デキレジ」の違いを徹底的に深掘りし、ランキング形式で解説していきます。
ヤバレジの人の定義や特徴に関しては
ヤバイ初期研修医!通称「ヤバレジ」ランキング!伸びる研修医とは
でも解説しているので、是非ご参考にしてください。
5位:言われたことができない人
これは当たり前すぎる話なのでさらっと解説します。
別に研修医ということに限らず、どんなビジネスパーソンでも言われたことができない人に「デキる」人は存在しません。
上級医や先輩に言われたことができるという前提がありつつ、プラスアルファで自分の個性を生かしながらどんな結果を残せるかが重要になってきます。
そしてこれができない人には革命的な改善方法があります。
それは、「メモをとること」です。
人間というものは自分の能力を過大評価しがちで、指示受けや言われたことをメモなんかせずとも覚えていられるだろうという慢心が存在してしまいます。
しかし、どんなにIQが高い人でも人間の脳の記憶のキャパシティーには限界があります。
ドラえもんの秘密道具「暗記パン」でもないかぎりずっと覚えておくことはほぼ不可能に近いです。
そのことを理解しつつ、じゃあどう対策をするかを考えると
「言われたことをメモにとって忘れずにやる」
それが当たり前ではありますがしっかりできていない研修医の先生も多い印象があります。
4位:generality(広く浅く)とspeciality(狭く深く)の区別ができてない人
5位でもお話した「自分を過大評価して慢心になる」という状態と通ずる部分もありますが、
初期研修医時代は、広く浅くの膨大な量の暗記をして国家試験を突破できたという自負があります。
しかし、現在の医学界ではgenerality(広く浅く)よりもspeciality(専門的に狭く深く)が重視される傾向にあります。
つまり、各科のスペシャリストが各々協力・連携を取りながら医学臨床に携わる傾向にあるわけです。
そんな前提の中で、広く浅くを勉強してきた初期研修医とはどうしてもミスマッチが生まれてしまいます。
実際、総合診療科へ進むことを希望しているジェネラリスト出ない限り、実臨床の現場では専門性が求められます。
したがってその部分への理解がない初期研修医は、
あの先生は(学生なら国家試験に出るので当然知っている)こんなことも知らなかった。
という発想になるわけです。
一度、その考えが芽生えると止まらなく、
あの先生は自分が知っているこんなことも知らなかった人だ。
と、下に見るようになってしまいます。
こうなると、手がつけられません。
しかし、デキレジはそうは思いません。
しっかりとgeneralityとspecialityの区別がついているため、よりspecialityな内容を上級医から吸収しようと貪欲になります。
結果、ヤバレジとの差はどんどん広がって行きます。
3位:知識量とデキレジであることが比例していると勘違いしているパターン
医学部では、医者になる直前に「国家試験」という超膨大な量の医学的知識を詰め込んだ最終関門とも言える試験があります。
なので、そこで暗記量がデキる人になることだという価値観が植え付けられることは仕方のないことと思います。
しかし、医師になってからは医学部時代の学生の考えとは変わってしまいます。
知識量があれば合格できた医師国家試験と違って、医学の臨床の現場では「実践力」が試されます。
スポーツに例えてみると、
野球ではいくら正しいバッティングフォームの知識や変化球の球種の曲がり方、腰の回転の仕方、ストライクゾーンの見極め方の知識があろうと、
1回もバッターボックスに立ったことがない人がいきなりホームランを打ったり、イチローのように安打を製造することは難しいのと同じです。
医学も、初期研修医という立場になると、実際の臨床現場というバッターボックスに立たされます。
もちろん、知識は大事ではありますし、研修医になってから勉学の本を買っていない人などは論外です。
しかし、臨床の現場で実際に肌で感じた経験は、机の上で勉強したような座学には変えがたいものがあります。
そのことをしっかりわかった上で研修をしている研修医はやはり、
それを怠った研修医より一歩デキレジ側にいることであることは言うまでもないでしょう。
2位:コミュニケーションがしっかり取れない人
これは、
ヤバイ初期研修医!通称「ヤバレジ」ランキング!伸びる研修医とは
でも解説しましたが、
私たち医師の目的はあくまで「患者さん視点」です。
そして患者さんに携わる者は我々医師のみではありません。
看護師さん、放射線技師さん、ソーシャルワーカーさんなど、様々なコメディカルのスタッフの方がいるおかげで、医療というものは成り立っています。
「ヤバレジ」の方はそのことを理解していません。
よって、自分が忙しかったりするとつい、周りの一緒に医療に携わるコメディカルの方々に失礼な対応をとってしまいがちです。
確かに、忙しくて余裕がない時は感情が乱れがちになります。
感情をコントロールすることは難しいことではありますが、そのことを理解している「デキレジ」の方は日頃からコメディカルの方々への感謝の気持ちを忘れません。
よって、他職種の方々とも円滑にコミュニケーションを図りながら「患者優先」の医療を提供することが可能となっているわけです。
1位;医学への興味がない人
そして最後はこのテーマで最も核の部分に触れさせていただきます。
デキレジとヤバレジの1番の違いは「医学への興味」であると考えます。
まず大前提として、医学への興味がないものにデキる研修医となるモチベーションは存在しないように思います。
パクチーが嫌いな人に、パクチーを食え!とは言えないですよね。
こう例えると、医学部を受験してる時点で医学には興味あるだろ!パクチーの例えは極端すぎだ!との反論もあるかと思います。
確かに、パクチーの独特な風味、香りは好き嫌いがはっきりとわかれるものではあるでしょう。
しかし、パクチーほどはっきりと好き嫌いが分かれずとも、医学部はその特性上、「親が医者で後を継ぐために子も医者になった」パターンが多く見受けられます。
そしてそれを選択するのはまだ10代そこそこの高校生の時期でもあるわけです。
それまでの間に親に反対し、自分の身を削ってまでやりたいことが見つからず、医学部に入り、そしてその環境の中で、「あー、医学も悪くないな。」となんとなく思ってしまう人が多いのです。
それはそれで悪いことではありませんし、ほとんどの職業でもなってみて、やってみると意外と楽しくなるものです。
大事なことは、その中でしっかりと興味を持てるか、持てないかです。
やってみて、楽しいと感じ、自らに問いを作って答えを探す。そんな能動的なプロセスが己の成長へとつながり、よりデキレジと呼ばれるにふさわしい存在へと変貌することであることは間違いではないです。
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