内科専攻医のみなさん!こんにちは!
J-OSLERのラスボスとも言える、「病歴要約の二次評価」は進んでますか?
JOSLER3期生、2018年度卒の自分ですが、僕も先日、
こんな感じで!!!!
「二次評価 承認」の称号を得ることができましたーーっ!!
どんな二次評価の症例を使ったんだよ!!!!と気になる方は、
↑で渾身の、魂の29症例の例を大解説しているので、気になる人は見ていってください!!!
ということで、今回は病歴要約の二次評価でReject(要差し替え)されないコツを解説していくわけですが、
その前にまず大前提として、
J-OSLERは基本的に「指導医ガチャ」です。当たった指導医次第で運命が決まります。ただ、ここだけはたとえどんな指導医であってもチェックしておきたい!そんな基本的なポイントがあるので解説します!
JOSLERが公式に出している病歴要約作成と評価の手引きには、評価ポイントとして6つの項目が重要とされていますが、ここは以前の記事↓
でも解説した内容と被ってしまうので割愛します。
本題です。
今回は、実際に自分のJOSLER二次評価が承認された経験をもとに、最速でAccept(承認)を勝ち取る方法を大解説します!!!
ぜひ、二次評価に提出する前に一度、ここに書いてある項目を自身でチェックしてみてください!!
また、J-OSLERの症例を登録していく上で便利なアイテムも↓の記事で紹介しています。
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はじめに:J0SLER、二次評価の流れから承認(Accept)まで
二次評価をまだ受けてない!これからだ!という人に向けてまず流れから簡単に説明します。
二次評価の流れ
病歴要約を29症例、一次評価で承認を受けていた場合、二次評価期間になると自身のJ-OSLERのトップページの左のサイドバー「二次評価」のボタンから指導医へ依頼することが可能になります。
また、この期間は内科学会から親切に、
二次評価の評価期間始まりましたよ!!!
登録して評価依頼をしてください!!!
と、メールがきます。
自分の場合、こんな感じでした。
5/10に二次評価の依頼をして、二次評価の指導医からの評価期限は5/24までとなっており、約2週間ほどで評価が完了します。(ちなみに自分の指導医の場合は間に合わなかったらしく、5/29に評価が帰ってきました。笑)
Rejectの割合は?ほとんどRevisionとAcceptじゃないの?
日本内科学会専門医制度審議会 J-OSLER検討委員会が2021年に出した統計によると、J-OSLER 1期生の二次評価のReject(要差し替え)の数は、548/48430病歴がRejectを受けています。
つまり、約1%の症例でRejectを食らっている計算になります。
また1からやり直しと考えると悲惨ですよね、、、
自分の二次評価は10/29症例でRevision(要修正)を食らった
自分の二次評価は幸いにも、Revision(要修正)が10/29症例で、Reject(要差し替え)症例はありませんでした!
病歴要約10/29、要修正だった😇
— たいしょー@らーめんどくた (@pokesena93) May 29, 2022
誤字脱字とか検査所見の抜けとか軽めの修正だったからよかった。
そして確実に専門は循環器だろうというツッコミ。笑
実は1症例ちょっと危ない症例があったのですがそれは後ほど解説します、、、笑
検査データを追加してください、軽い誤字脱字といったものがほとんどでしたが、心臓系の所見にやけに突っ込んでくる先生で確実に循環器内科の先生だろうなーという印象でした。笑
意外と多い!二次評価でrejectされる可能性のある基礎的なケアレスミス
ではここから早速、実際にReject(要差し替え)されないために気を付ける点について解説していきます!!
まず一つ目です。
これは病歴要約の内容には関係なく、誰しもが陥る可能性のあるミスです。僕たちは内科学会の指定した他病院の指導医の先生の時間をわざわざ割いていただいて評価を受けています。なのでチェックをすれば誰でも防げるこの手のミスが多発する場合、第三者に見てもらうに相応しくない態度としてRejectに該当する可能性が高まります。
①日付、特に西暦
入院日、退院日に関しては確認している人も多く、また1次評価の病歴要約作成の段階でも上級医の先生がしっかりチェックしてくださっているケースがほとんどです。
しかし、西暦は盲点で、
この様にデフォルトで今年の年(2022年)が選択されてしまうのでつい疲れてたりすると見落とされて登録されがちです。また、「症例登録」の段階でチェックできていてもそこから「病歴要約」にする段階でつい今年の年をそのまま、、、なんてこともあるので一度ざっとチェックしておきましょう。
②文献の引用の仕方
これに関しては僕のブログをよく見てる人ならご存じかと思います。
わからない人のために念の為におさらいすると、文献の引用の仕方は病歴要約作成と評価の手引きにしっかりと乗っ取って、以下の様に(名前.雑誌名 西暦;ページ等)、もしくはガイドラインなら(学会編:ガイドライン.学会)など指定された文献引用をしましょう。
無駄に長い引用(例えば、名前が全員分入ってる、雑誌名だけでなくタイトルまで記載されている)などは文字数稼ぎとみなされ減点される場合があります。
ちなみに、孫引きはOKか?と言った質問をよく聞かれますが自分は孫引きでも大丈夫でした。しかし、中には内容が違っていて本当に読んでいたか指摘されていた先輩もいたのでできるだけ最小限にしておくのが良いかもしれません。笑
③誤字脱字
これは言わずもがなですね。笑
1次評価の段階でしっかり病歴要約をチェックしてくれている先生ならすでに指摘されているでしょうが、意外と気づかないものです。
例えば、「著明→著名」やまた言葉の意味から違うもの、「心肥大⇆心拡大」「肺野⇆肺葉」なども要チェックです。
④検査単位のミス
細かいところになりますが、ここもミスしやすいポイントです。
mgなのか、gなのか、mLなのかLなのか、細かいところをチェックしておきましょう。
ありがちなのはHbの単位をg/dLでなくmg/dLにしちゃうミスです。
⑤既往歴に年齢がない
ここも細かいですが、周りの先輩たちの話も総合すると「○○歳 高血圧」のようにいつから発症したか?という点について抜けている場合、指摘されることが多い様です。
⑥主語を揃えていない
ここに関しては厳しい先生であれば指摘されることがあるだろう、という程度なのであえて最後にしました。患者さんが主語か、医者側が主語か、どちらでも構いませんが文章全体で統一されていない場合減点となることもあるでしょう。
Rejectの可能性大!その領域の疾患は主病名か?
声を大にして言います。
その領域の疾患は本当に主病名か!!!!!!!
正直、個人的には1発でRejectの可能性があるとしたらこの「疾患領域と主病名が合っていない」が最もあるあるなんじゃないかと考えます。
理由は明快です。考察の内容だったり、誤字脱字のミスなんかはRejectにせずともRevisionで修正することができます。しかし、考察や誤字脱字は直せても、そもそも領域疾患と主病名が合っていない場合、これは直しようがありません。
よって、評価項目云々の前にRejectされる可能性が高まるのではないかと考察します。
実際に自分が指摘された「主病名」と「副病名」の不一致
僕はラッキーなことに、領域疾患と副病名が一致してなくても「承認」をもらえました。
おそらく理由は、「総合内科Ⅰ(一般)の緩和ケア」という領域で病歴要約を書いたため、必ず緩和ケアに至る原因となった主病名が背景に隠れているこの疾患領域ならではの特性にあると思います。
具体的には「spiritual painがmain problemと考えられた末期膵癌の1例」として
主病名:Spiritual Pain
副病名:末期膵癌
の様に書いたのですが、、、ここは大きく指摘されました。ただ、幸いなことに疾患領域そのものを変えるRejectは受けず確定診断の項目だけ主病名と副病名を入れ替えて提出することで承認をもらえました。
ここも多分運が悪かった場合、滅びの呪文「バルス」を受けていたでしょう。笑
二次評価では「入院後経過と考察」と「総合考察」が被らないか見られる
どうしても被りがちになる2つの考察部分です。
よくある被りとして以下の状況が考えられます。
この使い分けとして、再度病歴要約の手引きをチェックすると、
「入院後経過と考察」では、
特殊検査等を含む診断とその根拠、治療とそのエビデンスおよび転帰について記載する。
考察はプロブレムごとに診断および治療法選択における過程を簡潔に記載する。(ただし、病名毎に独立して記載するか、あるいは併せて記載するいずれの様式も認める。)
病歴要約 作成と評価の手引き 一般社団法人 日本内科学会
とあり、
「総合考察」では、
主病名を中心にその重症度、副病名との関連について言及し、診断および治療法選択における妥当性を簡潔に記載する。さらに患者を全人的に捉えた『総合考察』を必ず記載する。そこではプロブレム間の考察や社会的・心理的側面についても言及されていることが望ましい。
病歴要約 作成と評価の手引き 一般社団法人 日本内科学会
と記載されている。
つまり、「入院後経過と考察」の考察は「過程」を根拠やエビデンスに沿って簡潔に記せば良く、「総合考察」の考察ではその過程自体が「客観的に妥当であるか」とその上で「全人的視点」の2つを考察すれば良いと結論づけられる。
ここを意識すれば内容がダブってしまうことはないと思われる。
引用文献を使い分けて二次評価のRejectを防ぐ引用文献を使い分けて二次評価のRejectを防ぐ
考察の使い分けに関してはこれまで説明してきた様に行えば被りは防げます。しかし、「文献」はどっちに入れればいいのか迷う!と思う方もいるでしょう。
結論から言うと、「ガイドラインなど診断の根拠」となる文献は「入院後経過と考察」に、その他は総合考察で明記しましょう。
先ほども解説したように、病歴要約作成の手引きでも、入院後経過と考察の中で「診断とその根拠、治療とそのエビデンスについて記載する。」とあります。例えば、総胆管結石の例なら、結石があればガイドライン上で内視鏡的治療が推奨されています。これを「入院後経過と考察」の中でエビデンスについてガイドラインの引用を明記せず全て総合考察で記載しようとすると内容が被ってしまいます。
にもかかわらず、文献は総合考察だけに入れるものという先入観で内容を繰り返してしまう人が多数います。ちなみに、病歴要約作成と評価の手引きにサンプル症例がいくつか載せられていますが、その中でも入院後経過と考察の中に文献引用している例も見られるため、文献はどちらに記載しても間違いではありません。
積極的に使い分けていきましょう。
全人的考察がない考察は二次評価でrejectを受ける可能性がある
先ほど、総合考察に関して、
「総合考察」では、
主病名を中心にその重症度、副病名との関連について言及し、診断および治療法選択における妥当性を簡潔に記載する。さらに患者を全人的に捉えた『総合考察』を必ず記載する。そこではプロブレム間の考察や社会的・心理的側面についても言及されていることが望ましい。
病歴要約 作成と評価の手引き 一般社団法人 日本内科学会
と解説しました。
よく見てください。「必ず」とまで言われちゃっています。笑
一次評価の段階ではあまり意識されていないこの「全人的視点」ですが、要するに病気視点だけでなく、患者さんの心理面や、社会面を考えましょうということです。
全人的考察の書き方は、上記の症例登録のコツ記事でもどんな風に書いたら良いか解説していいます。起承転結で書いた文章の後の「+α」の部分が「全人的考察」です。病歴要約での全人的考察の記載方法も症例登録とほぼ同じなので気になる方は目を通しても良いかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
これまで解説したことを意識していただければ自ずと二次評価もrejectなく、またrevisionも最小限に抑えることが可能と思います。
ちなみに、revisonで修正をくらった場合、初回の修正箇所以外の別の修正ポイントに気づいたとしても二回目以降は修正指摘してはいけないというルールもあるため、まずは思い切って評価提出してみるのも手です。
余談ですが、自分が二次評価で承認を受けた時のコメントは以下のようなものでした。
・領域的に問題がない。
・修正指摘箇所はしっかりと修正されている。
・病歴は簡潔で、入院後経過も標準診断・治療が行われ過剰な診察はない。
・総合考察では文献を参考にしながら省察できており、患者・ご家族への配慮を含めた全人的な考察になっている。
・以上より、合格水準に満たすものとする。
このコメントを見ても領域のチェックや病歴・入院経過の簡潔なプロセス、そして総合考察では全人的考察をしっかり付け加えることが大事なことがわかりますね。
ぜひ皆様も最高のJ-OSLERライフをお過ごしください!それではっ!
おまけ:
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